「他の建築家の設計を見て」
最近他の建築家や他社が設計した物件を見たり、見学したりする機会が多くなってきました。そこには自分のイメージする空間とはまったく違う空気がそこにあります。自分だったらどうするだろうと考えるのは、どんな建築家でもする事だと思いますが、果たして自分の考えがそれでいいのかと迷ったり、自分の考えが間違っていなかったと確認したり、色々思ってしまいます。
以前建設会社の設計部にいたころ、「設計とは他人のお金で自分の好きなものを建てる仕事だ」と言われ、ナルホドと思っていました。ところが最近は少し違って、「設計とはクライアントが欲しがっているものを手助けして作り上げる仕事だ」と思えるようになりました。ちょっとは進歩したのでしょうか。そう考えられるようになってから自分に少し余裕が出てきたように思えます。それまでは自分の考えとクライアントの考えが違うと、相手が間違っているとばかり考えてしまいましたが、最近はそういう考え方もあるな、それならばこうしようと考えるようになりました。でも最後は自分が良いと思ったようになるように持っていくんですが・・・。納得さえして頂ければ、それが一番幸せな結果になるはずですから。
平成14年10月21日
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